1871年のシカゴ大火の後、中央図書館は移転を繰り返し、1991年に現在のハロルド・ワシントン・ライブラリーが開館しました。シカゴで最初の黒人市長に敬意を表して名づけらています。コミュニティ形成に積極的な図書館として知られ、選定された図書の読書を通じてコミュニティの意識を育む“One Book, One Chicago”などの取組みを行っているほか、Wi-Fiやタブレットの貸出し、オン/オフラインを組み合わせた「学習サークル」の運営や宿題支援を実施しています。
■ティーン限定の空間である「YOUMedia」
大人は入室禁止のガラス張りの空間で、映像編集のできるPCや3Dプリンター、コンピュータゲームなどがあります。HOMAGO、すなわちHanging Out(たむろする)、 Messing Around(イジる)、Geeking Out(オタクになる)の考え方に則り運営されています。利用者は敷居の低いゲーム機器などをきっかけに集まり、3Dプリンターなどが活用されている様子を目にすることで、徐々に高度なデジタル機器に好奇心を持つようになる、ということでした。■児童書コーナー
企業の寄付による3億円を元手にリノベーションが実施され、空間のいたるところに子どもが喜ぶ仕掛けが施されました。本を読むだけでなく手を動かしモノを作る、すなわち「体感」するスペースになっています。児童書コーナーの入り口には3Dプリンターも設置されるなど、21世紀型スキルの発達が念頭に置かれているようでした。■イノベーションラボ
3Dプリンターやレーザーカッターなど、デジタル機器を使いこなすためのリテラシーを教える講座が開催されるだけでなく、社会貢献にも活用されています。その一つとして、地元の小児科医が患者の頭蓋骨と脳を再現し、脳手術の執刀準備を行ったという事例もあります。